木材を使うメリット
■木を使って森林を守る
①森林は大気を保全します
樹木は二酸化炭素を吸収し、水と太陽エネルギーを利用して光合成を行い、炭素を固定し、酸素を放出します。またこの活動は成長期(30~60年)に活発に行われ、地球温暖化の防止にも貢献しています。
②森林は生物環境を保全します
森林は、多様な生物の生きる場所であり、生物環境を保全します。
③森林は水を保全します
森林の保全は私たちが生活していくために欠かせない、空気・水・土に深く関わっています。また、木材の最大の特徴は、石油や鉄などと違い、持続的に生産が可能な材料であることです。伐採期を迎えた木を有効に活用して、伐る→使う→植える→育てる、という循環保全を行うことで森林の生態系が安定し、環境の保全にも貢献します。また、循環保全に取り組むことは、林業従事者や製材所、木材加工所などの地域で働く雇用の場を提供し、農山村地域の活性化にも貢献します。
■人にやさしい自然素材
①熱を伝えにくく温かい
木材の熱伝導率はコンクリートの約1/10、鉄の1/400であり、温まりにくく冷めにくい特徴があります。そのため建築用材として温熱性能に優れています。接触時の熱が奪われにくいために床で使用した場合、足の冷えを防ぎ、疲労感も増大させにくく、木の温かみが実感できます。
②衝撃を吸収する
木は衝撃の吸収力がコンクリートやプラスチックと比較して、2~3倍ほど大きく、床や壁に使用すると安全性が高くなります。また、滑ったり、ひっかいたりしにくく、歩きやすいとの評価があり、快適性・安全性で高い評価を得ています。
③湿度を調整する
人間の快適さに影響する要素は、温度・風速・湿度で、特に湿度が重要です。木材は他の資材と比較して、調湿性に優れています。
④木の香り
木にはそれぞれ香りの主成分として精油成分があり、イライラを抑えて心身をリラックスした状態にする働きがあります。また、香りの中にはダニやカビ類に抵抗力があり、繁殖を抑制する効果があります。特にヒノキやヒバに多く含まれています。
⑤目に刺激の少ない木目
木目は自然が作った造形美です。広葉樹は独特の模様が現れ、樹種ごとに異なる色彩が見られます。また、針葉樹の年輪は一定ではないため、人の目に対する刺激が小さく、心身をリラックスさせ、安らぎを感じさせます。
木材には細胞の微妙な凸凹によって光がミクロに錯乱するために上品な光沢感があり、紫外線の反射も少ないために目に与える刺激が小さくなります。また赤外線の反射が大きいため「あたたかさ」を感じ、目にやさしいことが特徴です。
⑥二酸化炭素の抑制につながる
木材を製造するときに消費するエネルギーは、鋼材の約1/20、アルミニウムの約1/270となっています。また、木造住宅を建設するときの二酸化炭素放出量は、鉄骨プレハブ住宅の約1/3、鉄筋コンクリート住宅の約1/4となっていて、建築や家具に木材を使うことは、二酸化炭素の排出を抑制する効果にもつながっています。
⑦環境にやさしい再利用可能な木材
木材は再利用できる資材です。一度使用した木材でもチップ化して紙の原料や燃料、パーティクルボードなどの原料として利用できます。